皆様こんにちは!横浜市西区みなとみらいの税理士の古閑です。
「会社を作ったら一安心」と思っていませんか?
実は法人設立後こそ、本当のスタート。
スタートアップ時に準備不足でつまずいてしまうケースも少なくありません。
今回は、税理士の立場から見た「法人設立時によくある落とし穴」をご紹介し、それぞれの対策もお伝えします。
目次
落とし穴①:設立して満足。税務署等への届出を忘れる
会社設立後は、税務署・都道府県・市区町村へ多くの届出が必要です。
よくある届出の例:
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法人設立届出書
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青色申告の承認申請書
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給与支払事務所等の開設届出書
これらは提出期限もあるため、提出漏れや遅れは節税機会の損失や、ペナルティにつながる可能性もあります。
▶対策:
会社設立と同時に、提出すべき書類と期限を一覧化して管理しましょう。税理士に依頼しておけば、すべて代行・チェックしてくれるので安心です。
落とし穴②:社会保険や雇用保険の手続き漏れ
「社長一人だけの会社だから保険手続きはいらない」と思っていませんか?
法人の場合、社長(代表取締役)であっても社会保険の加入義務があります(原則として)。これを怠ると、後日まとめて支払いを求められることも。
▶対策:
社会保険事務所への届出は会社設立後5日以内に行いましょう。特に人を雇う場合は、雇用保険や労災保険の加入もセットで確認が必要です。
落とし穴③:資本金の金額設定ミス
「とりあえず1円で設立」…これはできるけれど、その後の資金繰りや信用に影響することも。
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資本金が少ない=金融機関の融資審査に不利
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赤字になっても資本金を食いつぶすリスク
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そもそも運転資金が足りない
▶対策:
事業内容や資金計画に応じて、数十万円〜数百万円単位の資本金を準備するのが現実的。設立前に事業計画とキャッシュフローを試算しておくと安心です。
落とし穴④:役員報酬を安易に決めてしまう
法人の場合、役員報酬は「毎月同額」が原則。途中で変更すると、損金(経費)にできなくなる場合があります。
また、報酬が高すぎても低すぎても、法人税・所得税・社会保険のバランスが崩れることに。
▶対策:
決算予測をもとに、税理士と相談して適切な報酬額を決定しましょう。個人と法人のトータルの節税を意識することが重要です。
落とし穴⑤:帳簿・会計を後回しにする
「まずは営業が先!」と帳簿づけを後回しにしていると、いざ決算時に大混乱。経費の取りこぼしや申告ミスが起きやすくなります。
▶対策:
会社設立と同時に会計ソフトを導入し、日々の記帳体制を整えることが肝心。税理士に早めに相談しておけば、会計ソフトの選定や初期設定もスムーズです。
まとめ:法人設立は“通過点”、その後の運営がカギ!
会社設立はゴールではなく、スタート地点にすぎません。
手続き・税務・社会保険・資金計画・会計など、準備不足によるつまずきは避けたいところです。
「設立後に失敗しないために」——
税理士として、スタートアップ時からの相談体制を整えておくことを強くおすすめします。