こんにちは。横浜市西区みなとみらいの税理士の古閑です。
これから暑くなる夏を前に、個人事業をされている方にぜひ意識していただきたいのが「経理整理」、特に青色申告の準備です。
青色申告と聞くと、「確定申告の時期にやればいいのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、今のうちにやっておくことが、年末や申告時の負担を大きく減らすカギになります。
今回は、夏前にやっておきたい経理整理のポイントを、税理士の視点から解説します。
青色申告は、個人事業主やフリーランスが一定の条件を満たして帳簿をつけ、正しい方法で申告することで、最大65万円の特別控除などのメリットを受けられる制度です。
その反面、「帳簿をきちんとつけていること」が前提となるため、日々の経理管理がとても重要です。
6月は1年の折り返し地点。
ここで一度、1月からの取引を集計・整理しておくことで、下半期の経営判断にもつながります。
「このままでは利益が出すぎてしまいそうだ」「経費をどのように使うべきか」といった分析も、早期に行うことで対策が可能になります。
春先から繁忙期が続き、経理が後回しになっている方も多いと思います。
しかしこのまま放置していると、年末に慌ててレシートをかき集める羽目になりがちです。
夏前に一度、未記帳の領収書やレシート、通帳の明細などを整理しておくことで、後半の負担が大きく軽減されます。
・現金・クレジット・銀行などのすべての取引を帳簿に記載
・未記帳分をまとめて入力
・領収書・請求書との突き合わせ
会計ソフトを使っている方も、半年分をまとめて入力するとミスが起こりがちです。この時期に一度チェックしておくことを強くおすすめします。
・月ごとに分けてファイリング
・スキャンしてクラウド保存もおすすめ
・取引先別にまとめておくと見直しやすい
この作業を後回しにしていると、いざという時に「どこにしまったかわからない」となりがちです。
・上半期の利益状況の確認
・必要経費の支出時期を調整
・小規模企業共済やiDeCoなどの活用検討
青色申告は事前の準備が節税に直結します。今のうちに利益の状況を見ておくことで、余裕を持った節税対策ができます。
65万円の控除を受けるためには、次の条件を満たしている必要があります:
複式簿記による帳簿作成
帳簿の保存義務(7年)
期限内の電子申告またはe-Taxによる提出
まだ電子申告の準備をしていない方は、この夏が導入のチャンスです。マイナンバーカードや電子証明書の取得など、今のうちに進めておきましょう。
青色申告の本番は確定申告時期ですが、その「準備」は今からでも十分に進められます。
特に、夏前は比較的時間を取りやすい時期でもあり、経理の立て直しには最適なタイミングです。
忙しくなる前の今こそ、経理整理の見直しを。
それが、年末年始を穏やかに、そして節税にもつながる第一歩になります。
経理の不安や青色申告に関するご相談がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。