こんにちは。横浜市みなとみらいの税理士の古閑です。
今回は「ふるさと納税」について、制度の仕組みから、控除の計算方法、そして実際にどのように活用すればお得になるのか、税理士の視点でわかりやすく解説していきます。
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄附ができる制度です。名前に「納税」とありますが、実際は「寄附」にあたります。ただし、一定の上限までなら、寄附した金額のうち2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除されるという仕組みです。
たとえば、3万円のふるさと納税を行った場合、自己負担2,000円を除いた28,000円分が税金から控除されることになります。
つまり、実質2,000円の自己負担で地域の特産品やお米、お肉などの返礼品がもらえるため、多くの人が利用しています。
ふるさと納税による控除は、「所得税」と「住民税」の2つに分かれて適用されます。
所得税の控除:確定申告をすることで、その年の所得税から還付されます。
住民税の控除:翌年の住民税が減額されます。
ただし、控除には上限があります。この上限額は年収や家族構成によって異なるため、シミュレーターを使って事前に確認するのがおすすめです。
多くのポータルサイト(楽天ふるさと納税、ふるさとチョイスなど)で簡単に試算できます。
確定申告をしない給与所得者などが利用できる制度です。
寄附先の自治体が5つ以内であれば、「ワンストップ特例制度」を利用することで、確定申告をしなくても控除が受けられます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
ワンストップ特例を使いたい場合は、寄附のたびに申請書を提出する必要がある。
年末(12月31日)までに寄附を完了し、翌年1月10日までに申請書が自治体に届く必要がある。
確定申告を行う自営業者や、医療費控除を申告する人などは、必ず確定申告が必要です。
控除上限を確認する
控除を超える寄附をしても、超えた分は税金から引かれません。節税の観点からも、上限額ギリギリを狙うのが最もお得です。
早めの計画を立てる
年末にかけて寄附が集中します。人気の返礼品が品切れになることもあるので、夏〜秋の時期に計画的に分散して寄附するのがおすすめです。
実用的な返礼品を選ぶ
お米やトイレットペーパー、日用品など、生活に役立つ返礼品を選ぶと、「節約効果」も期待できます。
また、災害支援を目的とした寄附など、「返礼品なし」のプランを選ぶことで、純粋に支援したい気持ちを形にすることもできます。
家族全体で使い分ける
ご夫婦ともに所得がある場合は、それぞれが上限額を利用して寄附することで、返礼品を倍に受け取ることが可能です。
自己負担は必ず2,000円かかる
どんなに寄附しても、最低2,000円の自己負担は避けられません。
返礼品の価値は寄附額の3割以下
総務省のガイドラインにより、返礼品は寄附額の3割までとされています。
そのため、「元を取る」という考えより、「応援したい自治体に貢献する」という意識で活用すると満足度が高まります。
確定申告を忘れないこと!
確定申告やワンストップ特例の手続きを忘れると、控除が受けられなくなるので注意してください。
ふるさと納税は、節税メリットがあるだけでなく、「自分の意思で税金の使い道を選ぶことができる」という貴重な制度です。
自治体の使い道の中には、子育て支援や地域医療、災害対策など、多くの人の生活を支えるものがあります。
制度を正しく理解して上手に活用することで、地域にも自分にもメリットのある寄附ができます。
もし、「どれくらいまで寄附できるか分からない」「確定申告が不安」という方は、税理士にご相談いただくのもひとつの方法です。
当事務所でも、ふるさと納税に関するご相談や確定申告のサポートを行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。