こんにちは。横浜市西区みなとみらいの税理士の古閑です。
相続のご相談を受けるなかで、よく聞く言葉があります。
「うちは財産がそんなにないから、相続でもめることなんてないですよね?」
ところが、実際には「財産が少ない家ほどもめる」というのも事実。
金額の大小にかかわらず、「話し合い不足」や「思い込み」が、思わぬトラブルを生む原因になっています。
今回は、実際の相談例から学ぶ「相続トラブルあるある」を5つご紹介します。
「うちは大丈夫」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
✅ トラブルの概要:
父が生前、「この家は長男に継がせる」と話していたものの、遺言書がない状態で他の兄弟と遺産分割協議へ。
結果、「そんな話聞いてない」と次男・三男が反発し、家庭内で大揉めに。
教訓:遺言書は“思い”を形にするツール
親族間の会話だけでは、法的効力はありません。どんなに明確な希望があっても、遺言書として残しておかないと意味がないのです。
✅ トラブルの概要:
長男が自宅購入時に、父から1,000万円の援助を受けていたことが判明。
相続時に「これは相続分に入らないの?」と他の兄弟が異議を唱える。
教訓:生前贈与は「特別受益」として相続時に調整される可能性あり
公平に見える相続には、贈与の履歴も重要なファクター。記録と説明が必要です。
✅ トラブルの概要:
母親の口座を、利便性のために長女と共同名義にしていたが、亡くなった後に「これは長女の財産ではない」と他の兄弟が主張。
教訓:預金の名義と所有者はイコールではない
共同名義や代理人カードは便利な反面、相続時に争点になることが非常に多いです。専門家に相談を。
✅ トラブルの概要:
実家の土地・建物は長男が住んでいたが、相続財産は不動産だけで現金ゼロ。
他の相続人が「私たちには何ももらえないの?」と納得できず対立。
教訓:不動産中心の相続は特に注意!
分けにくい資産が中心の場合は、「代償分割」や「生命保険の活用」などでバランスを取る設計が必要です。
✅ トラブルの概要:
相続人の一人と10年以上連絡が取れず、遺産分割協議が成立しない。
家庭裁判所での調停・不在者財産管理人の選任など、長期戦に突入。
教訓:相続人が全員合意しなければ前に進まない
相続には全員の合意が必須。
普段からの家族関係の維持も、実は大きな相続対策”と言えます。
「うちは大丈夫」と思っていた家庭ほど、感情のすれ違いや事実の誤認でトラブルが起こるものです。
そして、トラブルの大半は、事前の準備と話し合いで防げるのです。
▼こんな準備がトラブル回避に有効です:
遺言書の作成
生前贈与の記録と説明
不動産と現金のバランスを考慮した資産配分
定期的な家族会議
専門家(税理士・司法書士・弁護士)への相談
相続は、「その時が来てから」では遅い場合が多いものです。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。当事務所では、お客様に寄り添いベストなご提案を提供いたします。