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2025.06.01

「うちは大丈夫」が命取り?相続トラブル実例と対策5選

相続全般

横浜市西区の税理士の古閑です。

「うちは家族仲がいいから大丈夫」

「財産なんて少ないから揉めないでしょ」

――そんなふうに思っていませんか?

実は、相続トラブルの多くは“まさか自分たちが”と思っていた家庭で起こっているのです。税理士として数々の相続の現場に立ち会ってきた私が、実際にあったトラブル例と、それを防ぐための具体策をご紹介します。


1. 【実例】兄弟で遺産分割でもめたケース

背景:父が他界し、長男と次男の2人が相続人に。父の遺産は自宅と預貯金のみで遺言書はなし。

トラブル内容

長男「自分は同居して父の介護をしていたから、自宅は自分のものだろう」

次男「それはおかしい。法定相続分で均等に分けるべきだ」

話し合いは決裂し、調停に発展。弁護士費用や精神的負担が大きくのしかかりました。

対策

遺言書の作成(特に自宅など分けにくい財産がある場合)

生前に家族全員で話し合う機会を作る


2. 【実例】内縁関係のパートナーが相続できなかったケース

背景:男性が生涯を共にした女性(婚姻届未提出)と生活。法的には未婚。子どもなし。

トラブル内容

男性が急逝。遺言書もなし。すると、法律上の相続権は遠方に住む兄弟に。

内縁の妻は生活基盤を失い、住んでいた家を出ざるを得ない状況に。

対策

内縁のパートナーに財産を残したい場合は、公正証書遺言を作成

任意後見や死後事務委任契約などの制度も活用を検討


3. 【実例】親の認知症が進んでからでは遅かったケース

背景:高齢の母が認知症を発症。長女が介護していたが、母の預金管理や今後の財産の扱いに不安を感じ相談。

トラブル内容

既に判断能力が低下しており、遺言書も作れない・成年後見の手続きも複雑化。他の兄弟から不信感を抱かれ、トラブルに発展。

対策

元気なうちに遺言書の作成を

任意後見契約を事前に結んでおく


4. 【実例】相続放棄を巡る認識違い

背景:父の借金が多く、相続人である子どもたちは「相続放棄」を口頭で決めたつもりに。

トラブル内容

実際には家庭裁判所に相続放棄の申述をしておらず、債権者から督促が来ることに。しかも申述期限の3か月を過ぎてしまっていたため、放棄できず。

対策

相続放棄は「家庭裁判所への正式な手続き」が必要

借金の有無は早期に調査し、期限内に対応


5. 【実例】生前贈与でもめたケース

背景:長男が生前に多額の資金援助を受けていたことが、相続開始後に他の兄弟に発覚。

トラブル内容

「不公平だ」「寄与分として評価すべきだ」と兄弟間で大激論。結局、調停による財産評価や代償金の交渉に長期間を要した

対策

生前贈与は記録・契約書を残しておく

「贈与か貸付か」を明確にし、可能なら税理士に相談


まとめ:相続トラブルは“事前対策”が何よりも大切です

相続は、法律や税金の問題であると同時に、人間関係の問題でもあります。

トラブルの火種は、些細な誤解や「想定のズレ」から生まれます。

「うちは揉めない」と思っている方こそ、準備の有無を見直してみてください。

遺言書の作成や生前の情報整理、家族間の対話は、未来の安心への第一歩です。

税理士としても、財産評価や遺言作成のアドバイス、相続税対策など生前からサポート可能です。

不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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